東長崎のローカルシェルターMIA MIA【KOHII meets Barista】

コーヒーと真正面から向き合い、業界の…

コーヒーと真正面から向き合い、業界の前線を走るバリスタさんたち。その姿を KOHII の 若手クリエーターたちからコラム形式でお届けする企画です。 

日本でスペシャルティコーヒーの人気店を立ち上げてきた黄金世代から最近お店に立ち 始めた新世代まで、コーヒーを通してバリスタさんとのカジュアルな会話を楽しんだり、ゲストの方のキャリアストーリーを見つめたり、今後の展望について伺っていきます。 

コーヒーLOVER ならではのお話やバリスタという職業の魅力など、直接会いに行けなくて も、ワクワクできるような出会いをこの企画でお楽しみいただけると嬉しいです。 

武田愛美:バリスタ 

By KOHII Creator@Saori 

池袋から西武池袋線で 5 分、東長崎の駅から歩いてすぐの立地にある MIA MIA。 今回は、そこでバリスタをされているエミさんを訪ねました。

どこか懐かしく、心地のいい空気が流れている東長崎に、社会の多様性を無視しない地域のシェルターのようなホスピタリティ溢れる空間を作りたい、と理恵さん&ヴォーンさん ご夫婦で始めたMIA MIA。

そんなに!?と思わずツッコミたくなるほど、MIA MIAの前を通りがかる人に次々と声をかけるエミさん。みんな、常連さんなのだそう。「看板娘」と言ったら古風かもしれませんが、明るくてオープンマインドなエミさんの顔を見るために、コーヒーを飲みに来ているお客さんは少なくないと思います。 

K:コーヒーを淹れるときに技術的に大切にしていることはありますか? 

E:取引しているロースターさんから教えていただいている淹れ方、最低限のルールは守る。でも型にハメすぎず、私の理想の味わいが出るようにテイスティングし、チェックしながら淹れています。

K:最近オススメの豆や淹れ方や器具はありますか? 

E:京都にあるCOYOTE さんのコーヒー豆が好きです。COYOTEさんの豆にはカードが付いていて、そこにストーリーが載っているんです。豆の特徴だけじゃなくて、生産者のラウルさんの性格とか、ラウルさんと農園を歩いたときの会話とか、なんだかとってもリアルなんです。 これまで、コーヒーは海外で生産されて色んな工程があって自分の手元に来ているというのを知識として頭では分かっていたんですけど、見えないから実感が湧かなかった部分もあって。それを、このカードを読んで身近に感じられて感動したんです。コーヒーを淹れるときも、飲むときも、ラウルさんのことを思い出すみたいな笑。

あと、器具は MIA MIAでも使っているカリタウェーブがすごく使いやすくて良いです。浸 漬式でゆっくりじっくり淹れられるので、コクや味わいがしっかり出ます。お湯を偏って入れしまっても、底面が平らになっているので均等に抽出されやすく、扱いやすいので、コーヒードリップ初心者のお客さんにもオススメしやすいです。

“一辺倒な接客はしない” 

同じ接客をしたくないので、お客さんを観察して、その方に合わせてメニューとコーヒーの説明の仕方やコーヒーの説明の仕方を変えています。例えば、東長崎ってすごくローカルな場所なので、地元の方はラフな格好してフラッとお店に来てくれるんですけど、遠方から来てくれた方はオシャレで、わざわざここを目的地として来てくださったんだなというのが分かるんです。そういう方には、どこから来てくださったんですか?と話しかけるようにしています。 もともと人と話すのがすごく好きなので、毎日すごく楽しいです。

オーナーであるヴォーンさん自身がお客さんとのコミュニケーションを1番大切にしてい て、体現しているので、上には上がいる…と思いながら働いています。笑

元々カフェに興味があって、地元宮城から上京して色んなカフェを掛け持ちしながら働い ていました。その内の1つにスターバックスがありました。スターバックスでは、お店に立つ前にコーヒーを飲んで勉強する文化があります。2月の期間限定でグアテマラ カシシエロが出た時のフレーバーコメントが、「ココアのような、チョコのような味わい」だったんです。飲んでみたら、本当にココアみたいな味わいというか、舌触りで。その時にスイッチが入って、もっと知りたい、勉強したい!と思ったんです。それまではそういう気持ちにならなかったのに。 

そこから、ハンドドリップ講習や勉強会に行くようになり、もっと深いところまで勉強しようと、スタバを卒業しました。 

その後はコーヒーを勉強しながら色んなカフェで働きました。ラテアートもできるように なってコーヒーも美味しく淹れられるようになった頃、実は、もういいのかも…とコーヒー をやめようかなと思った時期もありました。OL に憧れて転職を考えたり。 そんなとき、表参道の丸山珈琲表参道Single Origin Storeで飲んだカプチーノが、脳天に衝撃が落ちるほど美味しかったんです。2口目3口目もずっとおいしくて感動しっぱなしだったのですが、使っているマシーンは私がカフェで使っているものと一緒でした。もちろん豆の違いはあるのですが、作る人によってここまで美味しさが変わるのか…私もそうなりたい!と気持ちが切り替わりました。

渋谷にあるWHITE GLASS COFFEEがオープニングスタッフを募集していて、元々お客さんとして通っていて憧れていたOBSCURA COFFEEさんが監修ということでコーヒーの勉強ができると思い、飛び込んでみました。

ホワイトグラスにいたとき、ヴォーンさんが取材にきてくれてたことがありました。その時に、「いろんな人に取材してきたけど、こんなに感動したの久々だよ」と言ってくださって。 すごく嬉しかったのを覚えています。 

ずっとホワイトグラスで働く気だったのですが、運命のきっかけ?があり、今 MIA MIA で働いています。 元々横浜に住んでいて、渋谷のホワイドグラスまでの通勤がちょっと遠かったので、本当にたまたま東長崎の隣町に引っ越したんです。そしたら近くに MIA MIA というカフェがあると知って、行ってみたらヴォーンさんがオーナーでした。取材以来、久々に再会したんです。そこから MIA MIA に通うようになり、ここで働かない?と誘ってもらって、働くことになりました。

“味の決め手はコミュニケーション” 

バリスタは、コーヒーの味と、コミュニケーションで感動を届けられる仕事だと思います。 コーヒーはもちろんですが、バリスタとのコミュニケーションで元気を与えられたり、ハッピーになっていただけることもあると思います。どんなに美味しいコーヒーでも、渡し方が雑だったり、仕草でちょっと嫌だなって思われたら、そのコーヒーは美味しくなくなると思うんです。 

“バリスタという仕事の醍醐味” 

K:昔のエミさんのような、コーヒー業界を目指している若い方にアドバイスはあります か? 

E:お客さんといっぱい喋ってほしいです!コーヒーは人と人を繋ぐっていうのは、本当だと思います。MIA MIAでお客さんと趣味やお仕事の話をしていると、お客さん同士が仲良くなる瞬間がたくさんあって、毎回感動をいただいています。その出会いはもしかしたら人生の大事な出会いになるかもしれないですし。そのきっかけを作れているのだと思うと、それは、バリスタという仕事の醍醐味でもあると思います。

K:今憧れているバリスタさんはいますか? 

E:COFFEEHOUSE NISHIYAの西谷さんですね。私は、お客さんとたくさんコミュニケーションするタイプなのですが、西谷さんは、技術はもちろんのこと、お話がすっごく面白いんです。どうしたらそんな返しができるの?っていうくらい笑。最近、MIA MIAにトレーニング に来て下さったのですが、マシーンを触る前にまず、座ろうと。西谷さんがどういう思いで お店に立っているのかとか、コミュニケーションの話から始めてくださいました。MIA MIAの店柄を見て、私たちに合わせてそういうトレーニングになったんです。 

西谷さんに目標を聞かれて、私は 1 杯1杯に心を込めたいとお話したんです。そしたら、心を込めるってどういうこと?と紐解きをしてくれました。西谷さんは、お客さんのニーズに合わせて1人1人コーヒーの淹れ方を変えているとおっしゃっていました。店内用とテイクアウト用でラテのミルクの注ぎ方を変えたり、 食後の一杯か仕事の前の一杯かをお客様の様子から見極め、ミルクの温度を変えたりしているそうです! 

 “これからのこと” 

コーヒータウンのメルボルンに行って、バリスタをやりたいです。ヴォーンさんもオーストラリア出身ですし、2軒隣には絶対カフェがある環境みたいなので、その空気に触れてみたいです。今パドレコーヒーの豆を入れているのですが、そこにインターンとして行かせていただける話をヴォーンさんが作ってくださったので、海外のバリスタさんたちの中でも自分をしっかりと誇れるようなスキルが身についたら行きたいなと思っています! 

私はこれまでコーヒーしかやって来なかったですが、これからもやり続けたいと思ってい ます。 

あとがき 

お客さんが笑顔で集まってくる、ローカルコミュニティーの理想形である MIA MIA。エミ さんがここでバリスタをしているのはきっと運命だ、と思えるほど MIA MIAの空気感とマ ッチするエミさんの明るい人柄。初めてなのに落ち着ける、人の温かみを感じられる MIA  MIA でぜひエミさんのコーヒーを飲んでみてください♪ 

<プロフィール> 

武田愛美

宮城県出身。 カフェについて学ぶため20歳で上京し、東京・神奈川のカフェで、バリスタをする。 WHITE GLASS COFFEEで、2年勤務し、MIAMIAのオーナー、ヴォーンさんに誘われたことをきっかけに、MIAMIAでバリスタなる。

<MIA MIA>

東京都豊島区長崎4-10-1 

HP:https://www.mia-mia.tokyo/

Instagram:https://www.instagram.com/miamia_tokyo/?hl=ja

A cup of KOHII with Love 

(執筆・編集:Saori, Shimakou) 

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