皆さんがエスプレッソベースの飲み物と言われてまず思い出すのは、「カフェラテ」「カプチーノ」「マキアート」といった、エスプレッソにミルクやシロップを加えたコーヒーたちではないでしょうか。しかし、エスプレッソの楽しみ方は幅広く、人それぞれの好みに合わせた飲み方があるのです。
例えば「アメリカーノコーヒー」は、「アメリカンコーヒー」とは違い、エスプレッソにお湯を加えた飲み物。エスプレッソとお湯の比率は一般的に1:3であり、エスプレッソほどではないものの、やはりエスプレッソと同様に苦味とコクを持つコーヒーです。
このように、「エスプレッソにミルク以外を加える飲み物」は様々あるので、今回はこれらについてご紹介します!
そもそもエスプレッソとは?
まずは軽く「エスプレッソとは何か」ということだけ触れておきます。
エスプレッソは、「コーヒー豆(粉)を、圧力をかけたお湯(約9気圧)で短時間に抽出するコーヒー」のことです。一般的にマシンで作られますが、深煎りのコーヒー豆を高圧で抽出するため、抽出量は必然的に少なくなり、普通のホットコーヒーよりもはるかに濃縮されたコーヒーが出来上がるのです。抽出量が普通のコーヒーの5~6分の1程度になるため、マグカップではなく、容量の少ないデミタスカップで飲むのが一般的です。

ロングブラック
まずは、ロングブラックについて紹介しましょう!今日紹介する中で、最もアメリカーノに近い飲み物だと思います。なんせ、材料は全く一緒、エスプレッソとお湯の比率も一緒。ただ1点違うのは、「エスプレッソにお湯を加える」か「お湯にエスプレッソを加える」か、という手順だけ!
前者がアメリカーノ、後者がロングブラックです。
結論から言えば、この2つの間に劇的な味の違いがあるかと言われると、そういうわけではありません。しかし、エスプレッソを後から入れるロングブラックの方が、エスプレッソ特有の「クレマ」が表面に残りやすく、コクの強い、濃い味わいになります。
オーストラリアやニュージーランドといった、オセアニア地域で好んで飲まれていたとされており、現在は世界中に広まっています。

ルンゴ
続いてはルンゴについて。抽出方法は国や店によって違いますが、通常のエスプレッソに比べ、約2倍程の湯量で抽出したコーヒーです。お湯を足すロングブラックとはまた違う苦味、コクが感じられます。ヨーロッパの一部地域では、コーヒーと言えばエスプレッソのことを指すほどエスプレッソが浸透してますが、もう少しマイルドに、量を飲みたい時に頼むドリンクです。
ただし、このメニューを取り扱っているカフェは日本では少ないようで、見つけられたらとてもレアかも…?!近年ではネスプレッソのメニューオプションの一つとしてその名前は浸透してきているかもしれません。
リストレット

最後はリストレットです!この飲み物は、通常のエスプレッソの抽出に使う湯量の、半分のお湯で抽出するコーヒーです。この比率から「ショートショートのエスプレッソ」とも呼ばれます。先ほどのリストレットとは対極に位置するエスプレッソ飲料になります。気になる味わいはというと、通常のエスプレッソに比べて高い濃度は勿論のこと、コーヒーの成分が抽出が途中で止まることにより、コクや甘味が感じ易い分、苦味や酸味といった風味は抑えめになる傾向になります。
カフェによってはミルクとの相性の良さから、ラテにしようするエスプレッソをリストレットにしているところもあります。
こちらはルンゴに比べると、日本国内でも様々なスペシャルティコーヒーショップのメニューで出されている傾向にあります。
エスプレッソの多様性
今回は、アメリカーノのような、エスプレッソをベースとしたコーヒーたちについて特集しました!エスプレッソのコクをしっかりと生かしたコーヒーたち、試してみませんか?
A cup of KOHII with Love
(執筆:Takuya)
参考文献
同じコーヒー豆で作ったロングブラックとアメリカーノを飲み比べる(コーヒーのあれ)
KIMBO (モンテ物産)
エスプレッソコーヒーとは?本場イタリアの飲み方は?(コーヒーコラム〜コーヒーをフランクに!〜 )
リストレットのエスプレッソとは何か?その作り方と味につて(TAILORED COFFEE)