メルボルンで学んだ生活とリンクするコーヒーの形【KOHII Connects Creatives】

京都を中心に活躍するグラフィックデザイナーのMiz。クリエーターとしての彼女の原動力の一つが「コーヒー」。

缶コーヒーを眠気覚ましに飲んでいた社会人時代から、メルボルンで過ごした5年間でコーヒーに対する印象が一変。現在は自分でコーヒーを淹れるようになるまでに。

人生の起点とともに、コーヒーが生活の一部になるまでの移り変わりを話してくれました。

「苦い汁」としか感じなかったコーヒーの印象

物心ついた時から、母親が家で飲んでいた深煎りのドリップを覚えています。「なんでこんな不味いものを飲んでいるのだろう」と不思議に思ってた記憶があります。

それから自分自身で飲み始めたのが、最初に就職したアウトドアスポーツメーカーでした。その時は仕事中の眠気覚ましにって感じでしたね。周りが飲んでいたのでその流れがあったのだと思います。美味しいから飲むという感じではなく、表現するなら「苦い汁」って感じでした笑。

日々の生活の中でコーヒーが当たり前にある日常へ

最初の就職先を辞めて、メルボルンにワーキングホリデーなどを通して合計5年間滞在したのですが、やはりそこでの生活が私の生活の中にコーヒーがより大きくしめるようになったきっかけです。

メルボルンでは友達と待ち合わせる時、必ずカフェなんです。

最初はその雰囲気に馴染みたいという思いで、ローカルのみんなと同じフラットホワイトを頼むようになりました。そのときに初めてコーヒーの美味しさに気づいたと思います。ミルクとコーヒーとのバランスが本当に良くて今まで日本で飲んでいて、イメージしていたものとは全く違った別の飲み物という印象をはっきり覚えています。

 コミュニケーションにもコーヒーが当たり前の生活でした。

デザイン事務所とオーガニックカフェのキッチンのアルバイトを掛け持ちしていたのですが、カフェではバリスタが出勤するとまず最初に「コーヒー飲む?」が決まり文句でした。

デザイン事務所でも同僚が休憩に入るときに「コーヒー買いに行くけど欲しい?」や「一緒にコーヒー買いに行かない?」が当たり前の生活の中で、本当にコーヒーが自分の生活の一部になっていくのを感じました。

日本で知ったコーヒーの奥深さ

日本に戻ってからもカフェに行くスタイルは変わりませんでしたが、どうしても街のカフェの数が少ないのもあり、少しずつ家で淹れるようになりました。ドリップを飲むようになってからは、ミルクコーヒーは少し胃に重たいように感じ、今ではカフェでもドリップを頼むことが多いです。

色々なドリップコーヒーを飲むうちに、その色々なコーヒーの種類、シングルオリジンや産地によっての違いなど、奥深さを知ることができたと思います。

最初は違いとかもよく分からなかったですし、今も詳しいことは分からないのですが、毎日飲むコーヒーの多彩な味の違いは今でも驚かされます。

自分にとっていいカフェ、コーヒーとは?

良いカフェとは友達のようにバリスタに会いに行ける場所、そして心が落ち着ける場所です。これは、メルボルンでのコーヒー文化も染み付いた結果だと思っています。その空間にいることで美味しいコーヒーはもちろん、少し非日常な空間の中で気分がリセットされます。

カフェ以外でも、自分でコーヒーを淹れて飲む時も何かの切り替えの時、例えば仕事の合間にスイッチを入れ直す時に飲むような気がします。コーヒーを淹れている=自分の中の心に余裕、ゆとりがある時です。逆にストレスが溜まって余裕がないな、って感じるときにコーヒーを淹れたりしています。コーヒーはその美味しさだけでなく、慌ただしかった流れがふっとリセットされる不思議な魅力があると感じています。

Miz
京都生まれ京都育ち。京都造形芸術大学にてファッションデザインを専攻し、 卒業後に株式会社SHIMANOに初のアパレルデザイナーとして勤務。海外出張やミーティングなどを通して英語の必要性を感じ、退社後に英語の習得のためオーストラリアに渡豪し、そこで偶然出逢ったデザインスタジオにてインターンシップを経験しながら、グラフィックデザインの基礎を学ぶ。その後、ビクトリア大学にて1年間本格的にグラフィックデザインを学び、卒業後は同スタジオデザイナーとして働き始める。オーストラリアで働く中で感じた、自分のルーツである日本らしいデザインは何だろうと思い始め、現在は生まれ育った京都に帰国。現在は京都にあるスタジオ、Econosys Design にてシニアデザイナーとして働きながら、フリーランスとしても活動を行う。
www.miz-tsuji.com/

Kurasu Ebisugawa
2020年にオープンしたKurasuのフラグシップ店舗。エスプレッソマインや業務用グラインダーでのドリンク提供はせず、「店舗で使用するものほぼ全て店舗で購入でき、家で再現できる」ことを念頭にこれからの時代に合わせた「ホームブリュー」、「おうちコーヒー」をサポートしていける店舗形態。母体のKurasuはコーヒー器具を販売するECサイトから始まり、京都から世界へ日本をコーヒー文化を発信し続けている。
www.jp.kurasu.kyoto

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