コーヒーを淹れる際に欠かせない道具の一つがグラインダー(コーヒーミル)。グラインダーとは、コーヒー豆を粉状に挽く機械のことです。お店ではたくさんの種類のグラインダーが売られていますが、どれを選べばいいのか分からない、と困ったことはないでしょうか?
今回は、グラインダーの構造の違いやそれらが風味に及ぼす影響などについてお話しします。
どんなグラインダーが「良い」グラインダー?
まずはグラインダーの性能を決める基準についてお話しします。
最も重要な基準は挽き目の均一性です。挽いた粉の大きさが揃っているか、微粉*が少ないかということです。(*微粉:小さく挽かれすぎたり砕けたりして出る非常に細かいコーヒー粉。雑味などの原因になります)
粉に挽いた時点で粒の大きさがバラバラだと、抽出できる成分にばらつきが生じ、味の統一性に欠けてしまいます。つまり、均一な抽出ができる=挽いた粉の粒の大きさが揃っている、微粉が少ないものが高性能のグラインダーであると考えられているのです。
その他には、刃などの部品の寿命、手挽きであれば挽き易さ、電動であれば挽く速度、などが性能の良し悪しを決めますが、それらは主に使われている素材や形状によって変化します。
グラインダーのタイプ別解説
グラインダーには大きく分けて3つの形状があります。
・フラットカッター
・コニカルカッター
・ブレードグラインダー
の3つです。
1つずつ解説していきます。
①フラットカッター
Mahlkonig EK43、カリタ ナイスカットG、ネクストGなどで採用されている形状です。

写真のようなディスクと呼ばれる2枚の円形状の刃によってコーヒー豆を粉砕します。
鋭利な刃が高速回転することによって挽いていくため、粒の形は包丁で切ったような平べったい形になります。
粗めのメッシュ(挽き目)よりも細かいメッシュが得意で粒度分布*が優れるため、エスプレッソ用のグラインダーなどでは多く採用されています。(*粒度分布:コーヒーの挽き目の場合、目盛通りのサイズでコーヒー粉の粒が揃っている度合い)
②コニカルカッター
Mazzer River、Wilfa SVART Aromaなどで採用されています。

写真のように立体的な螺旋型の下刃と、それを覆うように上刃が配置され、上下の刃ですり潰すように粉砕します。
挽いた豆は切るというより砕いたような形になるため、粒の形は立体的で不揃いになりがちです。
微粉の量はフラットカッターよりも少ないと言われており、筆者個人的にも同価格帯のグラインダーで比べるとコニカルカッターの方が微粉が少ない気がします。
手挽きのハンドグラインダーは、ほぼ全てコニカルカッターです。
こちらは、粒の形が立体的で表面積が大きくなる傾向があり、抽出が進みやすいです。そのためプアオーバーのドリップや時間のかかる水出しコーヒーなどに適しています。
③ブレードグラインダー

比較的安価な電動グラインダーに多く見られる形状です。
見た目からプロペラ式とも呼ばれます。
プロペラのような羽が回転して豆を粉砕します。
粒度の調整が時間によってしかできない点や、コーヒー豆自体に遠心力や重力がかかりにくく豆自体が移動しないため、粒度を揃えることが難しいデメリットがあります。
刃の素材
ハンドグラインダーに関しては、形状は上記の通りコニカルカッターが多いのですが、素材による違いがあります。
主に使われているのは、セラミックか金属です。高価なものになると、ほとんどが金属製の刃になり、切れ味がよく、挽き易さが向上します。PORLEXなどはセラミック製で、Varia、Comandanteなどは硬い金属刃を内蔵しています。
これからグラインダーを買おうと思っている方はこれらのことを知っておくと選びやすくなると思います。
いつか、もっとメーカー毎など詳しくお話しできる機会があればお話ししたいです。
コーヒーの味わいを決める重要な要素である挽き目。グラインダーのことを知ればもっともっとコーヒーを楽しめると思います。
それぞれの特徴を理解してもっと美味しいコーヒーライフを!
A cup of KOHII with love
(編集:Tomoki)