コーヒーを選ぶとき、どんなことを基準に決めていますか?
お店だったら店員さんのおすすめや気になることを聞いて決める、という方も多いと思いますが、オンラインショップなどではそうもいかないですよね。
実際に抽出するまで分からない、コーヒーの味わい。そのコーヒーにどんな特徴があって、どんな味がするのか?一般的にプロファイル(プロフィールとも)と呼ばれるコーヒーの情報には、コーヒー選びに役立つたくさんのポイントがあるんです。
コーヒーのプロファイルには、生産地や品種、そして精製方法など多くの記述がありますが、その中でも今回は精製方法について、そして精製方法の違いが味わいにどのような変化をもたらすのかについてご紹介します。
そもそもコーヒーの精製って?
精製とは、収穫したコーヒーチェリーから生豆を取り出す加工工程のことです。
収穫したさくらんぼのようなコーヒーチェリーは、乾燥され、脱穀の工程を経て生豆の状態になります。この時、どのような工程を経るかによって、できあがるコーヒーの風味が大きく変わるのです。地域によって有している資源や環境が異なるため、生産者は通常それぞれの環境や品種にとってベストな精製方法を採用しています。

代表的なコーヒーの精製方法
現在、特に多くの農園で採用されている精製方法は2つあります。
(1)ナチュラル精製
収穫したチェリーをそのまま乾燥し、その後脱穀を行う方法です。
チェリーのまま乾燥させるため、果肉や果汁などの成分が生豆に浸透します。そのため果実味、甘味が強くコクのある味わいになる傾向があります。
(2)ウォッシュト精製
収穫したチェリーをパルパーという機械に通し、果肉の大部分を取り除きます。その後、水の入った発酵槽の中で発酵させ、残った果肉とミューシレージ(※)を取り除きます。そして最後にきれいな水で洗浄し、乾燥、脱穀を行います。
こちらは収穫後早い段階で果肉などがそぎ落とされ、乾燥段階ではほぼ残っていないため、クリアな口当たりと明るい酸味が特徴に見られる傾向があります。
(※)ミューシレージとは:コーヒーの種子を覆っている、ぬめりのある粘質物のこと。さくらんぼを食べたときに、種の周りがぬめぬめしていると感じたことがあると思いますが、その部分をミュー̪レージと呼びます。

その他の精製方法
その他の精製方法としてはやや変わり種として、パルプド・ナチュラルやハニー精製、と呼ばれるものも。
パルプド・ナチュラルは、パルパーを使い果肉を除去した後、水に漬けずに乾燥させたもので、ミューシレージまで除去できる機械を使ったのちに乾燥させる方法をハニー精製と呼びます。このとき、ある程度の果肉やミューシレージを残すことによって風味を調整することができ、その度合いなどによって「レッドハニー」、「イエローハニー」など更に細かい種類に分かれています。
近年では、精製を単に果実から種子を取り出すための加工ではなく、発酵などの工程をコントロールしフレーバーを発達させるための手段、という見方で精製を重視する流れも。
アナエロビック・ファーメンテーション(嫌気性発酵)など、最近新たに登場し大きな話題になっている精製方法もあります。
今回ご紹介したのはほんの数種類ですが、コーヒーにはもっと多くの精製方法があり、世界中で様々な方法が研究されています。聞いたことのない、知らない精製方法を見かけた時は、ぜひ店員さんに聞いてみたり調べたりしてみて下さい。
お気に入りの生産地だけでなく、お気に入りの精製方法が見つかると、もっとコーヒーライフが楽しくなると思います。
みなさんも、私はこの精製が好き!、こんな新しい精製方法があったよ!と、コミュニケーションのきっかけにしてみてはいかがでしょうか?
A cup of KOHII with love
(編集:Tomoki)