豆にこだわる人がいれば、焙煎にこだわる人もいる。そして中には、「飲む場所」にこだわる人がいる。本連載では、お店や自宅とは違う、自分だけの⻘空カフェについて「外で飲む派」のみなさんにインタビュー。コーヒーを飲みたいのは、あんな場所やこんな場所、まさかまさかの場所まで。
今回は歯科衛生士、看護師を経験し、現在は保健師として働く灰原綾香さんにとっての、コーヒーを楽しむ「グッドロケーション」について聞いた。
あなたは、どこでコーヒーを飲んでみたいですか。想像しながらお読みください、爽やかなコーヒーでも飲みながら。

「尾瀬アヤメ平の雪原で飲んだコーヒーは格別」
――理想的なコーヒーシーンは?
山で飲むコーヒーは格別です。
山頂からの景色を見ながら飲むコーヒー。テント場でひと段落してから飲むコーヒー。仲間とテント泊で雑談しながら飲むコーヒー。特に、冬季の登山で真っ白な雪の上で淹れるコーヒーなんて、最高のロケーションです。そんな中でも、残雪期の尾瀬アヤメ平の雪原で飲んだコーヒーは格別でした。
――山でコーヒーを飲むとき、どのように過ごしますか?
山頂で飲むときは山ご飯でお腹を満たし、ひと段落したときが多いです。ミルとドリッパーと豆、それに甘いものを準備してあります。そして最高のロケーションを愛でながら豆を挽きます。

――コーヒーの淹れ方のこだわりは?
普段エチオピアやイルガチェフェなど、浅炒りで芳醇な香りのするコーヒーが好きでよく飲むのですが、山頂だとどうしてもお湯の沸点が下がってしまうため、酸味が強くなりがちです。なので、いかにお湯やカップの温度を下げないように淹れるか。お湯を温めなおしながら淹れることさえあります。
ちなみに、カップは保温性のあるものを使うこともあれば、軽量のチタンカップを使うこともあります。諦めて、深煎りの豆を使うこともあります(笑)。

「何も考えないでコーヒーのおいしさを味わう」
――コーヒーシーンに持っていくものは?
小型のスピーカーを持って、お気に入りの音楽を聴きながら飲んでいます。あとは、横に美しい人がいれば完璧ですね(笑)。
――そのときどんなことを考えて飲むんだろう?
普段は仕事と育児に追われる毎日なので、何も考えないでコーヒーのおいしさを味わい、良い景色を眺めて自然を堪能したいです。

――あなたにとってコーヒーとは。
自分の時間に飲んでいるので、リラックスできる薬みたいなものです。コーヒーが飲める幸せを感じます。
その中で、cafeや人との出会いも多くあり、新しい発見もあり、良い刺激にもなっています。
灰原綾香

歯科衛生士、看護師を経て現在は保健師として働いています。プライベートはシングルで育児中です。仕事も育児もなかなか忙しくしていますが、趣味もそれなりに楽しんでおり、登山、カメラ、スノーボード、コーヒー、アニメとアクティブなオタクです。たくさん資格を取りましたが、いつか自分の好きなことを仕事にするのが夢です。“強引g my way”と称して人生を楽しく生きています。