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  • アメリカンとは別物?「アメリカーノコーヒー」の特徴と由来【KOHII豆知識】

    アメリカンとは別物?「アメリカーノコーヒー」の特徴と由来【KOHII豆知識】

    コーヒー店のメニューでたまに見かける「アメリカーノコーヒー」。慣れ親しんだ「アメリカンコーヒー」だと思って注文し、思っていたものと違う商品が出てきたという経験がある人もいらっしゃるかもしれません。実際、この2つは全く違う飲み物。ということで、今回は、意外と知らないアメリカーノコーヒーについて見ていきましょう!

    アメリカーノコーヒーとは?

    この2種類の違いを端的に表すと、アメリカンが「浅煎り豆を使ったドリップコーヒー」であるのに対し、アメリカーノは「エスプレッソにお湯を加えた飲み物」なのです。典型的なアメリカーノにおいて、エスプレッソとお湯の比率は1:3と言われています。

    アメリカーノは、エスプレッソのクレマ (表面にできる泡のようなもので、コクのもとになる成分)の光沢と、エスプレッソの強い香りも残しながらも、特有の苦味が抑えられています。

    ちなみに、お湯ではなくミルクやクリームを加えてできる飲み物が「カプチーノ」や「ラテ」と呼ばれるコーヒーです。もはや兄弟のような関係ですが、その顔は全く違うことが分かりますよね!

    アメリカーノが生まれた背景

    この特殊なアメリカーノというコーヒーは、どのように生まれたのでしょうか。

    名前だけで推測すると「アメリカで生まれたコーヒー」だと思いきや、実は、第二次世界大戦下のイタリアで生まれたコーヒーなのです。イタリアに駐屯していたアメリカ兵が、アメリカ式のコーヒー(ドリップコーヒー)が飲みたいと考えたのですが、当時イタリアにおける主流の飲み方はエスプレッソでした。そこで、エスプレッソをお湯で薄めて飲むという方法が生まれ、アメリカ人の彼らにちなんで「アメリカーノ」と呼ばれるようになったとも言われています。(※諸説あり)

    アメリカーノをより身近に

    アメリカーノがどういったコーヒーか、分かって頂けたでしょうか?

    アメリカンとアメリカーノが並んでいると、知らない限りは手が出にくいアメリカーノ…。アメリカンとの違いを知っていれば、これからは確信を持ってチャレンジできると思います!

    また、アメリカーノには様々な仲間たちがいます!

    例えば、エスプレッソと湯の量が1:2という比率の「ルンゴ」、逆に2:1という比率の「リストレット」、さらに、アメリカーノと作る手順が逆の、お湯をエスプレッソで割った「ロングブラック」などなど……。普通のコーヒーより苦味が強めのコーヒーたちですが、そういったコーヒー好きの皆さんにはうってつけではないでしょうか。

    しかし、やはり苦いコーヒーが苦手な人には少し抵抗感があるかもしれません。そんな時は、同じエスプレッソを使ったカプチーノやラテを楽しみながら、アメリカーノのことを思い出してみてくださいね!

    A cup of KOHII with Love

    (執筆:Takuya)

    参考文献

    What Is An Americano? Espresso, Hot Water, and History(Sprudge)
    アメリカンコーヒーとは?美味しい作り方・おすすめのコーヒー豆を解説(KEY COFFEE)
    Hack Coffee Beans
    エスプレッソコーヒーとは?本場イタリアの飲み方は?(コーヒーコラム〜コーヒーをフランクに!〜 )


  • KOHII PEOPLE #6 コーヒーインスタグラマー:@ think147

    KOHII PEOPLE #6 コーヒーインスタグラマー:@ think147

    Coffee & Mugs(@think147)というアカウントにて、毎日1枚同じ画角でコーヒーの写真を投稿。さまざまな抽出方法により、そのときどきで選んだコーヒーカップに注がれるのは、コーヒー、そして、そのときのマインド。LEICA M8 + Elmar 50mm f2.8で切り撮られる写真は、どれも美しく情緒的。愛猫であるアメリカンショートヘアのマグの日常を切り撮るアカウント@mug0812も、見ていて癒される。

    そんな@think147さんの生き方の一端、そして、側にある“コーヒー”の存在について聞いた。

    「コーヒーとは自分時間を作るための儀式」

    ーーどのようにコーヒーを楽しまれていますか。

    コーヒーの楽しみ方。そうですね、仕事から帰ってきて、夜、仕事モードから自分時間に切り替えるために、一杯淹れるもの。

    コロナ禍になってからはテレワークが増えたので、平日日中に淹れることも多くなりました。家には常に2〜3種類の異なる豆を用意しておき、その日の気分で豆を選ぶことから始めます。

    抽出方法もしかり。ペーパードリップ、マキネッタ、それとも今日は、エアロプレス? と抽出方法を選びます。コーヒー器具は何を使おうかと悩む、それも含めて、楽しいひとき。

    そして、マグカップが好き。淹れたコーヒーをどのカップに入れて飲むのか……。カップを選ぶのも、楽しみの一つです。

    コーヒーは豆のまま購入して、淹れる直前に豆を挽く。豆を選ぶときは、豆の種類よりも焙煎度や鮮度、焙煎された日が直近かを重視しています。そして、挽くときも豆とじっくり向き合います。丁寧にハンドソートで選別され、欠点豆と言われる変な形の豆が混ざっていないか……なんてことを見つつ、リピートするかどうかの判断にしたり。そうやって、自分のお気に入りを探していきます。

    抽出方法はペーパードリップが一番多いですね。以前は焙煎度ごとや豆ごとに挽き目を変えたり淹れる時間を調整したりしていましたが、今は挽き目は浅煎りも深煎りも粗挽き、お湯の温度だけ変えて、浅煎りは深煎りよりも湯温を高めにするようにしたり。

    写真を撮ることも好きなので、コーヒーを入れた時は写真を写し、インスタグラムにあげます。

    「モノに、物事に、正面から接していたい」

    ーー@ think147さんのマイルールは?

    常にモノを大切に扱うこと。モノの価値や価格によらず、長く大切に使いたい。どんなモノでも、手を掛けて、修理や補修しながら丁寧に接していると、自分に馴染んできて愛着が湧き、更に大切に扱うようになります。結果として、長く付き合うことができるようになる。自分で5年、10年と丁寧に使い込んだモノは独特の雰囲気があり、新品には出せない良さがあります。

    いつも写真を撮っているデジタルカメラは2007年製ですが、5年ほど前に手に入れてから、今でも現役で使い続けています。今の高機能なデジタルカメラには無い、優しい雰囲気の写真が撮れる気がします。

    ーーあなたにとって素敵な⼤⼈とは?

    物事を真剣に取り組んでいる人でしょうか。仕事でも趣味でも何でもいいですが、真剣に一つのことを突き詰めようとしている人はカッコいいです。

    大人になると、さまざまなことを自分自身で決断して実践できるようになります。そのうえで、何か一つでも自分でやると決めたことを一生懸命に取り込んでいる大人は、素敵で輝いてみえる。

    例えば、おいしい一杯を作るために、真剣に焙煎機と向き合っている焙煎士さんはカッコいい。

    ーー1 ⽇にあともう5分あったら?

    読書をしたいです。電子書籍では無く、紙の本を読みたい。紙の本のいいところは、紙の香り、ページをめくること、栞を挟むことで、どのくらい読んだか視覚的にわかること。

    昔から読書が好きですが、平日は仕事で疲弊して、読書を楽しむ余裕が無くなっています。若い頃は睡眠前にベットで横になって読書が出来ていたのですが、最近はベットに入ると直ぐに寝てしまい……(笑)

    平日は読書を楽しむことができていない。だから、その5分で読書をしたいです。

    @ think147

    外資系IT企業にてプロジェクトマネージャーを担当。趣味は珈琲と写真。珈琲は自分で淹れること、写真は撮るのも観るのもどちらも好き。インスタグラムには毎日一枚、同じ画角で珈琲を写真をあげている。

  • コーヒーは精製方法で“味わい”が変わる?その違いを解説【KOHII豆知識】

    コーヒーは精製方法で“味わい”が変わる?その違いを解説【KOHII豆知識】

    コーヒーを選ぶとき、どんなことを基準に決めていますか?

    お店だったら店員さんのおすすめや気になることを聞いて決める、という方も多いと思いますが、オンラインショップなどではそうもいかないですよね。

    実際に抽出するまで分からない、コーヒーの味わい。そのコーヒーにどんな特徴があって、どんな味がするのか?一般的にプロファイル(プロフィールとも)と呼ばれるコーヒーの情報には、コーヒー選びに役立つたくさんのポイントがあるんです。

    コーヒーのプロファイルには、生産地や品種、そして精製方法など多くの記述がありますが、その中でも今回は精製方法について、そして精製方法の違いが味わいにどのような変化をもたらすのかについてご紹介します。

    そもそもコーヒーの精製って?

    精製とは、収穫したコーヒーチェリーから生豆を取り出す加工工程のことです。

    収穫したさくらんぼのようなコーヒーチェリーは、乾燥され、脱穀の工程を経て生豆の状態になります。この時、どのような工程を経るかによって、できあがるコーヒーの風味が大きく変わるのです。地域によって有している資源や環境が異なるため、生産者は通常それぞれの環境や品種にとってベストな精製方法を採用しています。

    代表的なコーヒーの精製方法

    現在、特に多くの農園で採用されている精製方法は2つあります。

    (1)ナチュラル精製

    収穫したチェリーをそのまま乾燥し、その後脱穀を行う方法です。

    チェリーのまま乾燥させるため、果肉や果汁などの成分が生豆に浸透します。そのため果実味、甘味が強くコクのある味わいになる傾向があります。

    (2)ウォッシュト精製

    収穫したチェリーをパルパーという機械に通し、果肉の大部分を取り除きます。その後、水の入った発酵槽の中で発酵させ、残った果肉とミューシレージ(※)を取り除きます。そして最後にきれいな水で洗浄し、乾燥、脱穀を行います。

    こちらは収穫後早い段階で果肉などがそぎ落とされ、乾燥段階ではほぼ残っていないため、クリアな口当たりと明るい酸味が特徴に見られる傾向があります。

    (※)ミューシレージとは:コーヒーの種子を覆っている、ぬめりのある粘質物のこと。さくらんぼを食べたときに、種の周りがぬめぬめしていると感じたことがあると思いますが、その部分をミュー̪レージと呼びます。

    その他の精製方法

    その他の精製方法としてはやや変わり種として、パルプド・ナチュラルやハニー精製、と呼ばれるものも。

    パルプド・ナチュラルは、パルパーを使い果肉を除去した後、水に漬けずに乾燥させたもので、ミューシレージまで除去できる機械を使ったのちに乾燥させる方法をハニー精製と呼びます。このとき、ある程度の果肉やミューシレージを残すことによって風味を調整することができ、その度合いなどによって「レッドハニー」、「イエローハニー」など更に細かい種類に分かれています。

    近年では、精製を単に果実から種子を取り出すための加工ではなく、発酵などの工程をコントロールしフレーバーを発達させるための手段、という見方で精製を重視する流れも。

    アナエロビック・ファーメンテーション(嫌気性発酵)など、最近新たに登場し大きな話題になっている精製方法もあります。

    今回ご紹介したのはほんの数種類ですが、コーヒーにはもっと多くの精製方法があり、世界中で様々な方法が研究されています。聞いたことのない、知らない精製方法を見かけた時は、ぜひ店員さんに聞いてみたり調べたりしてみて下さい。

    お気に入りの生産地だけでなく、お気に入りの精製方法が見つかると、もっとコーヒーライフが楽しくなると思います。

    みなさんも、私はこの精製が好き!、こんな新しい精製方法があったよ!と、コミュニケーションのきっかけにしてみてはいかがでしょうか?

    A cup of KOHII with love

    (編集:Tomoki)

  • コーヒーで繋がる素敵な人の輪。abno、トリバコーヒー【KOHII Walkers】

    コーヒーで繋がる素敵な人の輪。abno、トリバコーヒー【KOHII Walkers】

    ちょっとコーヒー巡りをしませんか? 行き交う人々、流れていく時間を見て感じながら、飲むコーヒーが絶妙に美味しいと思う僕たちは、いつもコーヒーで繋がる街を歩くKOHII Walkersです。気の向くまま、コーヒーのアロマに溢れる街、それぞれコーヒーを楽しむ人々との出会いを独自の目線で写真ストーリーに記録し、ここでシェアします。

    こうして同じ写真でコーヒー、ヒト、マチの関連性を描く人と繋がりたい、日本各地のKOHII仲間と一緒にコーヒーの魅力を広げていきたいです。

    Shimakou, KOHII Walker@Tokyo

    Vol.4:KOHIIで繋がる素敵な人・場所

    @abno

    第4弾は、中央区の日本橋馬喰町・銀座で、KOHII meets Creativesの撮影でお世話になった素敵な2店舗をご紹介します!

    まず1店舗目は、馬喰町にある知る人ぞ知るコレクティブホテルDDD HOTELさんの2階にある、Cafe&Bar abno。デンマークのCoffee Collectiveや、オーストラリアのSingle Oなど、こだわりのコーヒー豆をバリスタが丁寧にハンドドリップで抽出する、スペシャルティコーヒースタンド。朝は朝食会場として、昼はcafe、夜はBarになる多彩な顔を持つお店。

    店内は、コーヒーを飲みながら窓側で作業をしている人、奥の広く落ち着きのある薄暗い空間で静かに話を楽しむ人が、お互いに相手のことを思いやりながら素敵なひと時を過ごしていました。

    僕がここでオススメしたいのはCoffee Collectiveのケニアとタマゴサンドのセット。

    この組み合わせがたまらなく美味しかった。特にクロワッサンの生地と中の卵が絶妙にマッチしていて、個人的には今まで食べきたタマゴサンドの中で1番美味しかったです!

    そこに程よく酸味・甘味のあるCoffee Collectiveのケニアが絶妙にマッチ。

    今回KOHII meets Creativesのインタビューの際、ありがたいことにスペースをお借りしたことをきっかけに、DDD HOTELさんの洗練された空気感・ホテルで働く方々の暖かなご接客に魅了され、その後ゴールデンウィークに宿泊をしました。

    コンセプトに掲げられている「ミニマルだが上質な宿泊体験」を2泊3日で思う存分味わうことができました。ベッドからシーツ、そしてDescampsのタオル等、寝具やアメニティへのこだわりを肌で感じ、上質なホテルライフを楽しむことができました。

    この時期だからこそ、ホテルで見たい映画や、作業をしながらゆっくりと過ごすことも大切だなと改めて実感しました。

    @トリバコーヒー

    2店舗目は、銀座にあるトリバコーヒーさん。銀座にはいつも服を買う時や、写真を撮る際に来てはいるものの、美味しいコーヒーが飲めるお店は知りませんでした。

    そして銀座にあるトリバコーヒーさんは世界中のこだわりの高品質豆を取り扱う銀座の名店として知られています。

    今回、KOHII meets Creatives 第2弾のゲストの方がトリバコーヒーさんとご縁があり、実現することができた貴重な2時間。そこで、人生で初のハワイ・コナをいただきました。

    これがまた、複雑な味わいで、酸味の中にしっかりと甘味と深みを凝縮した逸品。

    また、店舗や焙煎で出たコーヒーカスをキエーロやコンポストを活用しゴミの削減に努めるなど、エシカルな活動もされていることを知り、更に魅力を感じました。

    その後、2階のロースター3階のオフィスも拝見することができ、とても貴重な時間を過ごすことができました。

    その中で、「音楽」を流すという、ごくありふれた要素への重要性を改めて痛感いたしました。

    実は3階のオフィスを拝見させていただいた時、大きなスピーカーと棚にギッシリと詰まった大量のレコードが僕の目にとまりました。お店の方にお伺いすると、オーナーさんが音楽がお好きだということ、店内の音楽はここから流れている音楽とつながっていることをお聞きし、【音楽を聴きながら心地よく働く】重要性を再認識することができました。

    在宅勤務が増え、静かな部屋で一人仕事をする方が、ここ1年で増えたと思います。

    僕自身も在宅勤務をする中で、静かな空間で1人でいると孤独感を感じたり、やる気が起こらなかったりすることが多々あります。

    その際、音楽というものは僕にとって安らぎや、やる気を起こしてくれる1つの必要不可欠な要素です。

    聞く音楽はなんでもいいと思います。波のBGMや鳥のさえずり等の自然音は人のストレスを緩和させる効果があるようです。

    僕自身も朝は、Lo-fiやクラシック等の落ち着いた曲や気分を上げたいときはロックやヒップホップまで幅広く聴いています。

    人それぞれだとは思いますが、やっぱり聞くとその日の気分は大違いです。皆さんもその日の自分の気持ち・シーンに合ったコーヒー、音楽を聴き素敵な1日を送ってはいかがでしょうか。

    A cup of KOHII with Love

    執筆・編集:Shimakou
    KOHIIでフォトグラファーをしているShimakouが現在、東京のカフェ・コーヒースタンドの情報はもちろん、独自の目線で東京の1面を切りとった写真をInstagramで配信しています。KOHII Walkersでは東京を中心に様々なアーティストを交え、コーヒーと街のストーリーを写真の魅力とともにお届けします。

    <今日のKOHIIコース>

    @abno
    【住所】東京都中央区日本橋馬喰町2丁目2-1
    Instagram

    @TORIBA COFFEE
    【住所】東京都中央区銀座7丁目8−1
    Instagram

  • KOHII PEOPLE #5 パン屋「ふじ森」:藤森もも子

    KOHII PEOPLE #5 パン屋「ふじ森」:藤森もも子

    東京でブーランジェリー「ふじ森」「ル トーキョー フレンチベーカリー エスプリ」「FUJIMORI R&D」の3店舗をプロデュースするのが、「ふじ森」代表の藤森もも子さんだ。2019年に東横線・都立大学駅近くにオープンしたパン屋「ふじ森」では、フランス産最高級発酵バター使用の最高級フランス食パン(一斤半:3000円)を扱う。

    パンに注ぐ情熱は父親譲り。日本にフランスパンを伝えたと言われる「ビゴ東京」代表の藤森二郎さんは、約40年もの間、フランスのパンを研究。「現代の名工(厚生労働省)」など様々な受賞歴があり、親子そろって日本のパン文化に貢献する。

    そんな藤森さんの生き方の一端、そして、側にある“コーヒー”の存在を聞いた。

    「コーヒー時間は自分への“エール”」

    ーーどのようにコーヒーを楽しまれていますか。

    私にとって、コーヒーは切り替えのスイッチですかね。朝の準備を終えて、“一日をはじめるぞ”のタイミングだったり、ランチ後に“仕事がんばるぞ”だったり、午後疲れてきた時の“あともうちょっと頑張るぞ”の時に淹れます。切り替えというより、自分へのエールですかね。

    ただ、夕食後にコーヒーを飲むことはないんです。フレンチなどに行くと、必ずデザートとともに何を召し上がりますかとオーダーを取ってくれますけど、夕食後はハーブティに決めているんです。なんでしょう、改めて考えると、一日を終える自分にエールはいらないと感じているのかもしれませんね。

    普段は、エスプレッソマシーンでコーヒーを淹れています。でも、最近「焼き立てコーヒー」という概念を知って。豆を焙煎して、それを淹れてと丁寧な工程が必要ですが、鮮度を優先した飲み方でした。とてもおいしかったなぁ。

    あと、昔は200%カフェオレ派だったんですが、最近はブラックで飲むことも。粘度性のないブラックは、パンと相性が良いんですよね。サラサラとしたのど越し、味わいに、バゲットとか、あとクロワッサンとか。やっぱり合う。うちのお店でも、テイクアウトですがコーヒーは欠かせません。

    「素敵な大人は、自分主導で自力本願」

    ーー藤森さんのマイルールは?

    「健全な魂は、健全なカラダに宿る」。これは経営者だからという意味ではなく、その随分と前から、健全でいることを大切にしてきました。ヘルシーに生きることが、自分との約束事。それがマイルールですね。

    自分のカラダにとって、良いことをしてあげたいし、だからこそ、食べるものもこだわりたい。食事だけでなく、心地の良い人と接することも大切でしょう。健全なカラダや魂を持ち合わせることで、自分の調子が確認できます。誰かのことも大切にしたいし、その誰かの幸せも一緒に喜んであげたい。だからこそ、自分がヘルシーであることを最優先しているんです。

    高度なパフォーマンスを求められる現代人、アウトプットのベースはマインドやカラダ。そういう意味では、疲れていては良くないですよね。自戒を込めてなんですが。笑

    ーー藤森さんにとって素敵な⼤⼈とは?

    自分主導、自力本願な人。環境や他人のせいにしない、すべてが自分というベクトルで歯車が回っている人ですね。私たちの生活は、色々なものに影響を受けがち。景気だったり、世界情勢だったり。今回のパンデミックを経験して、誰もが実感したことだと思います。

    そんななか、私は清々しく生きていたいと考えています。非常事態だって、人生という大きな視点から見れば、「通常稼働」の一環と捉えることができるでしょう。できる限り俯瞰して自分を見つめられるようにしています(自力でどうしようもないこともありますが)。

    でもやっぱり、自分主導で、自力本願。強い人が、素敵な大人だなって思います。

    ーー1 ⽇にあともう5分あったら?

    なんだろう、おもしろい質問です。「5分」のくくりでは考えたことありませんでした。一日が36時間だったらとはよく考えます。そうしたら、いまのままの睡眠時間で、もっと仕事できるのに、もっと遊べるのにって。笑

    5分だったら、そうだな、寝る前の“1日の振り返り”を必ずルーティンにしたいですね。1日のなかで良かったことを毎日3行日記つけると良いと聞きますが、日中はとにかく駆け回っているので、1日があっという間。それでも、毎日を丁寧に過ごしたいと感じているのです。

    私にとって「丁寧に過ごす」の定義は、「その日その日をしっかり認識して終える」こと。そのために必要なのは、“1日の振り返り”ですかね。5分間のなかで、良かったこと、頑張ったこと、嬉しかったことを認識したいです。そうしたら、もっと自信が持てるかなと思ったり、あと、次の日への活力にも繋がりそうなんです。

    藤森もも子

    ブーランジェリー「ふじ森」「ル トーキョー フレンチベーカリー エスプリ」の2店舗をプロデュースする「ふじ森」代表。PRコンサルタント、ジャーナリスト、フリーアナウンサーと、その活躍は多方面で知られている。趣味のゴルフやライフスタイルをインスタグラムで発信中。

  • KOHII PEOPLE #4 ヨガ・瞑想指導者:吉田香代子 

    KOHII PEOPLE #4 ヨガ・瞑想指導者:吉田香代子 

    自分のメンテナンスを目的に始めたヨガに浸り、次第に「この素晴らしさを人にも伝えたい」という思いが高まり、ヨガインストラクターの道に進んだ吉田香代子さん。現在はスタジオ設立を経て、ヨガインストラクターの育成やプログラムの開発をしている。

    コーヒーにハマってまだ日が浅いという吉田さん。しかしながら、ドリッパーやコーヒーカップなど、インタビュー時に拝見した愛用品はどれもこだわりを感じる素敵なものばかり。吉田さんのなかで始まったばかりのコーヒーのある日常を伺った。

    「香りと空間を楽しむのが私のコーヒー時間」

    ーー吉田さんにとって、コーヒーとは?

    香りと空間ですね。実は、私がコーヒーにハマったのは今年一軒家に引越しをしてからです。新居は木造で、中に入ると木の良い香りがします。その木の香りを味わっている時に、自然と「コーヒー、飲みたいな」と思ったのです。それまでコーヒーに全然興味がなかっただけに、自分でおったまげた記憶があります(笑)。

    なぜそんな風に思ったのかはわからないまま、その日を境にドリップ式のコーヒーグッズを買い始め、その後は珈琲専門店で豆を買い……と、着々と珈琲道を歩んでいる今日この頃。

    家ではコーヒーを飲む時に鼻の奥で匂いを楽しんだり、コーヒーとともに過ごす空間そのものを味わっています。

    ーーどのようにコーヒーを楽しまれていますか。

    私は、まだコーヒーを飲みはじめたばかりのひよっこです。なので、たいして豆にも詳しくないし、抽出方法もいまいちわかっていません。

    ですが、一つだけ興味をもってこだわっていることがあります。それは器です。

    コーヒーが好きになってまず買ったのは、コーヒーカップ。京都の知人の作家さんの展示会に行き、たった一つだけ販売されていたコーヒーカップを買いました。今は、毎日それを愛用しています。好きな器に淹れて、家の中の好きな場所に座ってゆっくりコーヒーを飲むーー。そんな時間が大好きです。

    「あえて “何もしない時間”をつくることが大切」

    ーー吉田さんのマイルールは?

    時間のペースを保つこと。「ひとり親+経営者」という人生をストレス過多なくこなせているのは、時間のペースを持っているからだと思っています。時間のペース作りは収納ケースに物を片付けるような感覚と似ていて、散らかりがちな頭の中を整える感じ。整理整頓できると日中に過ごせる時間が把握できて、様々なストレスにうまく対応できるんです。

    特に忙しい日は紙に今日することを書き出して、それぞれに時間を割り振る。これが1日を機嫌良く過ごす上で大切ですね。

    ーー1 ⽇にあともう5分あったら何をしますか?

    「何もしない」という選択をしますね。5分て、意外と短い!考えても結局ろくなことが思い浮かびませんでした(笑)。それならば何もせず、瞑想でもするのが良い選択かな。

    私の瞑想の先生によると、「何もしない時間を意図的に持つのは、難しく、また、大切なことです」とのこと。この意図的な何もしない時間は、人にとって最大のくつろぎになるそうです。だから私は、最大のくつろぎを自分に与えるという意味も込めて「何もしない」をします。

    ーー吉田さんにとって素敵な⼤⼈とは?

    頭の中にパッと思いついたのは、人を巻き込める人(そして巻き込まれた人は幸せである)。ものすごい吸引力で人を巻き込んでいる人を見ると、「すごいな」と思うと同時に「うらやましい!」「私もああなりたい!」と思います。

    でもその人のことを「素敵な大人」と思っているか、と考え直したらちょっと違うのかな……?どちらかといえば、うらやましい人か!

    改めて、私が素敵な大人と思う人はどんな人だろうと大真面目に考え、でてきた答えは、「満たされている人」です。

    正直にいうと、私はまだ「完全に満たされている人」に会えていません。でも、ある一部をさして「素敵だな」と思う人を想像すると、これまでに出会った人全てに当てはまるような気がします。そんな満たされている人になりたいです。

    吉田香代子

    株式会社ジョン・スピークス代表。不動産販売事務、化粧品販売を経験した後ボディーセラピーの仕事に転身。瞑想・ヨガ・ボディーワークに浸る。「世界平和につながる」という思いで、ヨガの普及活動をしている。

  • コーヒー焙煎機を徹底比較。直火、熱風、半熱風、それぞれ味の違いは?【KOHII豆知識】

    コーヒー焙煎機を徹底比較。直火、熱風、半熱風、それぞれ味の違いは?【KOHII豆知識】

    そもそも焙煎とは?

    コーヒーショップに行くとよく聞く「焙煎」という言葉。英語で「ロースト」と呼ばれるこの工程は、コーヒーの原料である「生豆(きまめ)」に熱と圧力を加えることであり、元々薄緑色の生豆はこの過程を経て、皆さんがよく知っている茶褐色・黒褐色の豆へと変わっていくのです。この焙煎によって生豆に化学変化(メイラード反応)が起き、コーヒー特有の香りや風味が生まれるのです。コーヒーショップではコーヒーを淹れる、抽出の過程はよく見ますが、なかなか焙煎しているところを見たことあることがある方は少ないかもしれませんね。

    焙煎機の違い

    ここから本題に入ります。上に書いた焙煎を行う機械(焙煎機)の中で、円筒形の釜(シリンダー)を横向きで回転させながら、中に豆を入れて焙煎する「シリンダータイプ」が最も基本的なものになります。このタイプの焙煎機は大きく、直火(ちょっか)式・熱風式・半熱風式の3種類に分類され、これらの違いは主に熱の入れ方です。そしてこの違いは、コーヒー豆の風味にも違いをもたらすのです。以下は、これらを簡単に比較した表です。

    ※風味に関しては一例です。

    技術と個性と焙煎機

    このように焙煎機には明確な種類があり、それぞれ個性豊かな豆ができますが、同じ焙煎機でも扱う人によって全く異なる豆ができると言われます。

    熱風式

    熱風式はその性質から、熱量をコントロールしやすく豆を満遍なく効率的に加熱できるため、大規模な焙煎工場で使われることが多いですが、近年ではスペシャリティコーヒーの焙煎に使われたり、家庭向けの熱風式も出ているなど、より身近な焙煎方法になってきています。味がはっきりする短時間焙煎にも、逆にマイルドになる長時間焙煎にも対応でき、ここにもロースターの個性が反映されるのです。

    あっさりなコーヒーを焙煎するイメージの熱風式ですが、深煎りのコーヒーやより立体感のある味わいのコーヒーに熱風式としてチャレンジしている焙煎所も増え、新しい技術が常にアップデートしています。今最も注目されているスタイルかもしれません。

    代表的なメーカー:Loring(アメリカ)、Ikawa サンプルロースター(イギリス)

    Akito Coffee (山梨) のLoring 15kg
    Akito Coffee (山梨) のLoring 15kg

    直火式

    直火式は炎と豆の距離が近いため、火加減の調整が難しいとされる焙煎方法です。豆の薄皮(チャフ)が焦げるだけでなく、加減次第では表面にも焦げができてしまい、香りに様々な変化が出ます。また、熱風式と違って加熱が安定せずに豆の煎り加減にムラができたり、外気の影響も受けやすいなど、焙煎する人の技術がかなり表れる方法だと言えます。逆に言えば、技術によって豆そのものが持つ個性(苦味・コク・香りなど)を十二分に引き出すことのできる方法なのです。深煎り文化の歴史が長い日本で独自に発達したと考えられる焙煎機で、代表的なメーカーも日本の会社が多くなっており、価格帯も比較的安価から小規模の直焙煎所で一番馴染みのある焙煎機です。

    代表的なメーカー:富士ローヤル、ラッキーコーヒーマシン

    明暮焙煎所(兵庫)の富士ローヤル3kg

    半熱風式

    半熱風式は、この2つのいいとこ取りといった焙煎方法と言われています。伝導熱が中心なので、熱は高いままで安定させることができ、熱風の量や鉄板の分厚さでその熱を自在に調整できます。この調整の柔軟さが焙煎の幅を大きく広げており、スペシャリティコーヒー、特に浅煎りの焙煎方法として、現在最もポピュラーで幅広く取り扱われているものとなっています。豊かで多様な味わいを出すことができ、また焙煎の大会や有名ロースターも使用していることから知見が出回っており、一から勉強しやすいのも特徴です。


    代表的なメーカー:PROBAT(ドイツ)、DIEDRICH(アメリカ)、GIESEN (オランダ)

    Leaves Coffee Roasters (東京)のビンテージProbat UG-15kg

    このように、焙煎機1つでも違いがはっきり表れ、ロースターの技術や個性を出せる「舞台」なのです。コーヒーロースターは色々な要因を元に、求めているコーヒーの味わい、特性は勿論のこと、価格帯や大きさに合わせて焙煎機を選んでいます。

    焙煎機をお店で見かけたら、「何故その焙煎機を選んだのですか?」という一言できっとお店の方のコーヒーに対しての想いに触れることができるはずです。

    参考文献
    KAWARU LIFE
    MORIFUJI COFFEE
    Natural sweet forest coffee beans
    COFFEE TOWN
    FUJI ROYAL
    富士珈機
    Coffee Carrot Magazine
    UCC


  • 「自然の中で本の世界に没頭したい」文筆家:甲斐みのり【私のグッドロケーション for COFFEE】#1

    「自然の中で本の世界に没頭したい」文筆家:甲斐みのり【私のグッドロケーション for COFFEE】#1

    豆にこだわる人がいれば、焙煎にこだわる人もいる。そして中には、「飲む場所」にこだわる人がいる。本連載では、お店や自宅とは違う、自分だけの⻘空カフェについて「外で飲む派」のみなさんにインタビュー。コーヒーを飲みたいのは、あんな場所やこんな場所、まさかまさかの場所まで。

    今回は、文筆家・甲斐みのりさんにとっての、コーヒーを楽しむ「グッドロケーション」について聞いた。

    あなたは、どこでコーヒーを飲んでみたいですか。想像しながらお読みください、爽やかなコーヒーでも飲みながら。

    「自然の中で味わうコーヒーと、おいしいパン」

    ーー理想なコーヒーシーンは?

    日頃から、水筒に入れたコーヒー、おやつ、トレイをカゴに詰めて、公園でのコーヒー時間を楽しんでいます。

    公園でコーヒーを飲む時間は、コロナ禍以降、より楽しみになりました。平日は近所の公園で、休日はちょっと遠出して少し離れた大きな公園に行くことも。レジャーシートを持って、途中でおいしいパンを買いこんで、お昼からおやつの時間まで、ゆっくり過ごします。これからの理想は、より自然の中でコーヒーを味わってみたいです。アウトドア用の椅子も購入したので、それを持って。

    本格的なアウトドアというよりも、森林公園など、森の入口あたりでじゅうぶん満足です。コーヒーを飲みながら、おやつを食べたり、ゆっくり読書できたらと夢見ています。

    春になったら、実際に自然の中で味わうコーヒーを始めたいです。準備の時間も、楽しい。出かける場所のリサーチから、水筒やおやつの種類まで……。あれこれ考えるだけで、楽しくなってきます。都心から車で行けるような森林公園を調べて、候補を探してみよう。

    公園には水筒に入れたコーヒーを持参していますが、そのうち、アウトドア用のコーヒー器具を揃えて、その場で淹れて飲めるようにもしたいです。今は紙コップを使っているのですが、アウトドア用のステンレスコーヒーカップの導入もいいなあ。

    「どんなふうに暮らしを楽しもうか考えながら飲む」

    ーーそのとき持っていきたいものは?

    最近、家で読書をすると、家事のことなど気になることが多くて集中できないので、買ったまま読んでいなった本を持ち込みたいです。

    この前のゴールデンウィークに公園でコーヒーを飲む用としてレジャーシートやアウトドア用の椅子を買ったばかりですが、小さな折りたたみテーブルも欲しいです。

    そして外でコーヒーを味わうときには、やっぱりおいしいおやつやパンをおともにしたい。近くにパン屋さんがある土地を目指すのもいいな、と想像しています。

    ーーそのときどんなことを考えて飲むんだろう?

    自然の中で、読書しながらコーヒーを飲むとき、物語の世界に没頭したいです。私はエッセイが好きでいろいろな方の日頃の暮らしを綴った本を読むことが多いのですが、いつも本を読みながら、自分の暮らしを見つめ直しています。きっとそのときにも、これからどんなふうに暮らしを楽しんでいこうかと、考えながらコーヒーを味わうのではないでしょうか。

    ーーあなたにとってコーヒーとは

    気持ちを切り替えてくれるもの。

    リラックスできるもの。

    純粋においしさを感じられるもの。

    甲斐みのり

    旅、散歩、お菓子、手みやげ、クラシックホテルや建築など主な題材に、書籍や雑誌に執筆。著書は『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』『地元パン手帖』『たべるたのしみ』『くらすたのしみ』など40冊以上。

  • 「やりたいのは、コーヒーカルチャーの底上げ」小坂田祐哉さん【KOHII meets Barista】

    「やりたいのは、コーヒーカルチャーの底上げ」小坂田祐哉さん【KOHII meets Barista】

    コーヒーと真正面から向き合い、業界の前線を走るバリスタさんたち。その姿をKOHIIの若手クリエーターたちからコラム形式でお届けする企画です。

    日本でスペシャルティコーヒーの人気店を立ち上げてきた黄金世代から最近お店に立ち 始めた新世代まで、コーヒーを通してバリスタさんのキャリアストーリーを見つめたり、今後の展望について伺っていきます。

    コーヒーLOVERならではのお話やバリスタという職業の魅力など、直接会いに行けなくても、ワクワクできるような出会いをこの企画でお楽しみいただけると嬉しいです。

    小坂田祐哉:Raw Sugar Coffee Roasters/コーヒートレーナー/バリスタ/焙煎士

    By KOHII Creator@Saori 

    今回のゲストは、GLITCH COFFEE & ROSTERSの立ち上げメンバーで、KOHII meets Baristaの第一弾で取材させていただいた小田さんと一緒にRaw Sugar Coffee Roasters(元Swim Coffee)を運営されている小坂田祐哉さん。

    取材場所は、小坂田さんが立ち上げから携わっていらっしゃる学芸大学のWR.。駅から徒歩3分ほどの立地で、静かな住宅街に一際目立つおしゃれなコンクリート打ちっ放しの外装。チーム全員がアイデアを出し合ったというこのお店で、スペシャルティコーヒー業界に対する考え、目指す方向について伺いました。

    “味のブレを最小限にするために”

    ーー最近お気に入りの器具や豆はありますか?

    GINAは良いですね。最初、ドリッパーにお湯を入れて3分くらい蒸らしておくんです。その後に下の抽出口を開けて抽出するのですが、その透過スピードが絶妙で、すごく良い。ちょっと高くて、3万円くらいするんですけどね。

    美味しいコーヒーを淹れるときは、水とグラインダーも選ばないとですね。家で淹れるときは基本的には浄水(水道水)ですが、水の質が違うと味の出方も違うので、良いコーヒーを淹れるときは水とグラインダーも良くないと、コーヒーの味を完全に表現はできないです。

    お気に入りの豆は、アナエアロビック・ファーメンテーションっていう精製方法で作られたものですね。スペシャルティコーヒーの中ではこの精製方法がかなり多くなりつつあると思います。

    ーーコーヒーを淹れるときに大事にしていることはありますか?

    前提として、数値化できるものは全部数値化します。豆の量、お湯の量、温度、抽出量、収率(抽出率)などです。測ったり数値化したりせずに、感覚やセンスで淹れるのもすごいなと思うのですが、人間なのでその感覚はブレると思うんです。例えば、風邪気味で味がわからなくなったり、コーヒーを淹れる直前にすごい腕の筋トレをしてケトルの重さがわからなくなったり、様々な事が要因となり、人はブレてしまいます。そういう影響をなるべく少なくするために、出来るところは全部数値化します。

    お店のレシピ作りでも、できるだけ人為的な要素を加えないようにしています。コーヒーって、焙煎をちゃんとしていたらお湯を淹れるだけで美味しくなるんです。でも、秒数を計らず蒸らしが長くなったりするとコーヒーに対して余計なテンション(負担)がかかってしまう。そうすると苦味や渋みという余計なものが出てきて、コーヒー本来の味にフィルターをかけてしまうので、人為的要素はできるだけ排除するようにしています。

    色んなお店で出してもクオリティがコントロールできるように、という意味でもです。

    やりたいのは、コーヒーカルチャーの底上げ”

    ーーお店に立たれるとき、お客さんとのコミュニケーションで意識されていることはありますか?

    バリスタって、コーヒーを伝えるという責務があると思っています。だから、券売機で事足りるようなコミュニケーションをするつもりはないですね。

    例えば、お客さんに「苦くて酸味がないコーヒー下さい」と言われたとします。酸味って美味しいコーヒーの大切な要素なんですが、酸味がないものが飲みたいということは、お客さん側の酸味に対するイメージと、実際の酸味の美味しさの間に認識の差があるということなんです。カウンターでそのギャップのすり合わせをしないから、お客さんは本物のキレイな酸味を知る機会がない。美味しいコーヒーがあるのに、知らないってすごくもったいないと思うんです。それは今まで、僕を含めたバリスタやスペシャルティコーヒーに関わってきた人間が、酸味のことをお客さんにちゃんと伝えて来なかったからです。

    作り手として、本当のスペシャルティコーヒーを広めないといけないのに、広めようとしないからマーケットも広がらないんです。

    僕がやりたいのは、「コーヒーカルチャーの底上げ」です。底上げをしない限り、マーケットは絶対に広がらない。だから僕はお客さんにコーヒーを伝えるというコミュニケーションを心がけています。

    あと、農園やインポーター、商社、ロースター、バリスタ、消費者、それぞれのフェーズでコーヒーに対する考え方が全然違うんです。正解不正解はないですが、それぞれのフェーズでの考え方の差異を無くしてばいけばいくほどマーケットにとってはポジティブなことなので、自分がコーヒーでコミュニケーションしていく上では、なるべくこのギャップを無くす。それが目標です。

    コーヒーをやる上で、ずっと変わらないモットーがあります。「コーヒーの概念を覆すこと」と、「1杯のコーヒーで人を感動させること」。有難いことに、僕のコーヒーを飲んで「人生変わりました」とか「バリスタを目指しはじめました」と言ってくれる人達がいてくれています。コミュニケーションがダイレクトなので、すごくやりがいを感じながら働くことができていますね。

    大手に対するアンチテーゼ

    ーー小坂田さんのバックグラウンドである音楽とコーヒーは何か繋がる部分はありますか?

    僕がバリスタを始めたきっかけでもあるのですが、バリスタという職業を知った時、すごくパンクに感じたんです。大量生産が一般的なコーヒーを、1杯1杯カウンターで淹れるという大手に対してのアンチテーゼを感じてパンクだなぁと思って。僕も、出身地の北海道でパンクやハードコアの音楽をやっていてカウンターカルチャーの中で育ってきたので、バリスタの反骨精神のような部分に魅力を感じていました。そういう意味で、僕の中で音楽とコーヒーは繋がっていますね。

    ーーキャリアのきっかけを教えていただけますか?

    音楽業界で働くために北海道から東京に出てきて、その後業界を離れ、エスプレッソマシーンのあるカフェダイニングで働いていました。最初は何となく触るくらいでしたが、段々興味が出てきたのでラテアート世界チャンピオンのお店に行った時、世界チャンピオンが出すカフェラテより、自分が働いているお店のカフェラテの方が値段が高かったんです。これはおかしいと思いましたね。そういうのがすごく嫌で、少しでも近づくようにラテアートを練習し始めました。

    そうしているうちに、そもそもエスプレッソって何なんだ?と思い、色んなお店を飲み歩いて、バリスタ世界チャンピオンの専門店Paul Bassettに行き着きました。ここに通って、1人でエスプレッソを飲んだり、バリスタの方とお話したり、働いている姿や環境を見て、ここでならちゃんとコーヒーが学べると思い、働きたいですと直談判しました。その頃には完全にバリスタとして働きたいという想いが出来ていましたね。

    小田がいたカフェヴィータもすごく厳しいのですが、Paul Bassettも厳しかったです。まず一般的な業務が滞りなくできないと、コーヒーには触る事すら出来ません。その後にバリスタになるための試験が、筆記・カッピング・抽出・オペレーションなど6つ以上ありました。僕は運も味方をしてくれて半年で受かったのですが、2・3年バリスタになれない人もいるので、かなり早い方だったと思います。

    ーーバリスタになられた後はどんなキャリアでしたか?

    Paul Bassettでは鈴木ヘッドロースター(キヨさん)に色々と面倒みてもらいましたね。ある日、休憩中に「独立するから一緒にやろうよ」と言ってもらって立ち上げたのがGLITCH COFFEE & ROASTERSです。ここのオープニングメンバーとして、マネージャーとトレーナーの経験を積みました。

    GLITCHのコンセプトは「日本からコーヒーを発信する」。当時、海外からのコーヒーショップが続々オープンして、みんな海外のコーヒーに目が向いていたんですが、僕ら日本のコーヒーはどうして注目されないんだ、という思いでした。

    オープンしてみていかがでしたか?

    GLITCHが求めるクオリティは高く、自分たち自身もコーヒーで世界を取りに行くつもりだったので、めちゃくちゃ厳しかったです。美味しいコーヒー出すのはコーヒー屋として当たり前。その上でどうやってお店を回していくかというマネジメントが重要で、勉強になりました。コーヒー淹れて、数値管理して、怒られて、無理やり育ててもらいました(笑)キヨさんは僕の恩師ですね。

    GLITCHも、コーヒー自体も何回かやめようと思いました。「俺、コーヒー淹れるセンスないんだろうな」とも思っていましたし。他の業界で転職先を見たりもして、でも結局戻ってきて。というのを繰り返していました。

    そんな頃、小田が「そろそろ一緒にやりましょう」と連絡をくれたんです。小田とはキヨさんを通して元々知り合いで、考えもやりたいこともビジョンも似ていたので、いつか一緒にやろうと話をしていた仲でした。

    小田がSwimを始めて1年くらいのタイミングだったと思います。僕も働き方を変えようと思っていた時だったので、すぐに会いに行きました。

    ーーこれまでのキャリアで、ターニングポイントはありましたか?

    GLITCHを辞めたタイミングです。僕はGLITCHのバリスタとして認知してもらっていたので、GLITCHを辞めるということは、自分の武器がなくなるのとイコールに近いようなものでした。自分からGLITCHを取ってこの先に行く、それでも自分は第一線でやっていけるのか正直不安にもなりましたが、視点と考え方を変える事が出来たターニングポイントになったと思います。

    バリスタは、伝えるという責務のある仕事

    ーー小坂田さんにとってバリスタはどんな仕事ですか?

    伝えるという責務のある仕事です。バリスタが伝えないと、そこまで携わっていた人のストーリーが伝えられずに終わってしまう。バリスタはお客さんへの最後の架け橋だと言われたりしますが、本当にそうだなと思います。バリスタはカウンター商売でもあるので、自分で作って自分で伝えられる。そういうチャンスがあるのに伝えないのはもったいないです。

    ーースペシャルティコーヒーはどんな存在ですか?

    飲むのではなく、味わうものです。自販機で買ったコーヒーは飲むだけですが、バリスタが淹れるコーヒーは、どんな空間で、ホスピタリティで、何を伝えて飲んでもらうかで80点のコーヒーを100点、120点にまでも持ち上げる事ができます。点数が上がるコーヒーって、ただ飲むのではなくて、一杯から物語を感じて味わってもらえるものだと思います。

    “人間性をつくる、下積みの時間”

    ーー若い世代には何を伝えたいですか?

    今、下積みは非効率的だと言われつつありますが、下積みは大事だと思います。技術を磨くための期間というより、社会人としての人間性を構築するための期間だと思うんです。

    お店に入って、2ヶ月でコーヒー淹れられるようになって「バリスタです。」と名乗る人もいますが、何かが伴っていないことが多いのも事実です。10年積めというわけではないですが、人間性をつくる期間として、自分と向き合い、考えるための期間だったので、大切だよと伝えたいです。自分と向き合った結果、その表現としての一杯になるので。

    ーー小坂田さんが学校で講師を始められたきっかけは何ですか?

    講師をしたくなったのは、カルチャーの底上げには、作り手の底上げが必要だと思ったからです。バリスタへのセミナー等もやっていますが、もっと先のことを考えた時に教育は大事だなと思ったんです。今20歳くらいの子達に、僕が培ってきた技術と知識を教えたら、その子達が僕の年になった時には僕を超えられていると思います。それは業界にとってもマーケットにとっても良いことです。あと10年経ったら業界が変わっていることを願って、教えています。

    ーー今後のチャレンジや夢はありますか?

    ちゃんと、美味しいものが美味しいと価値をつけられる社会にしたいです。絵画でも写真でもなんでもそうなんですが、いいものって価値がつくじゃないですか。その価値をつけられる人が多くなってくれたらいいなと思います。例えば、海外では価値が認められて5万円の値段がついている写真が、日本にきたら3000円になっちゃうって、表現者たちに対してのマーケットが確立されていないということですよね。コーヒーも似ていると思います。そのマーケットが確立されれば、バリスタという職業もちゃんと市民権を得て、一飲食店員ではなくバリスタという職業として確立される。レストランでいうソムリエのような。そういう役職としても認めてもらいたい。そうするためにはまず作り手たちが、社会に対して伝える、発信するということを続けないといけないと思います。

    ーー小坂田さんの原動力ってなんですか?

    単純に、自分がいいと思ったものを世の中に認めてほしいと思っています。自分が音楽やっていたら、音楽を通して同じことをやっていると思います。腰掛けの仕事を一番したくないので、アウトプットをちゃんと持とうと心がけています。

    あとがき
    スペシャルティコーヒー業界に対して、明確な考えと目標を持つ小坂田さん。取材中、その一貫した思いがヒシヒシと伝わってきて、こっちまで気持ちが熱くなる程でした。KOHIIチームも、スペシャルティコーヒー業界を盛り上げるために熱量を持って、考えて、行動していきたいと思います。小坂田さん、ありがとうございました!

    <プロフィール>

    小坂田祐哉
    Raw Sugar Coffee Roasters/コーヒートレーナー/バリスタ/焙煎士

    Raw Sugar Coffee Roasters

    WR.
    住所:東京都目黒区3-5-7 MT357-1F
    HP / Instagram

    A cup of KOHII with Love

    (執筆・編集:Saori, Shimakou

  • ロングブラック、リストレット…「エスプレッソ」がベースのコーヒーの違いは?【KOHII豆知識】

    ロングブラック、リストレット…「エスプレッソ」がベースのコーヒーの違いは?【KOHII豆知識】

    皆さんがエスプレッソベースの飲み物と言われてまず思い出すのは、「カフェラテ」「カプチーノ」「マキアート」といった、エスプレッソにミルクやシロップを加えたコーヒーたちではないでしょうか。しかし、エスプレッソの楽しみ方は幅広く、人それぞれの好みに合わせた飲み方があるのです。

    例えば「アメリカーノコーヒー」は、「アメリカンコーヒー」とは違い、エスプレッソにお湯を加えた飲み物。エスプレッソとお湯の比率は一般的に1:3であり、エスプレッソほどではないものの、やはりエスプレッソと同様に苦味とコクを持つコーヒーです。

    このように、「エスプレッソにミルク以外を加える飲み物」は様々あるので、今回はこれらについてご紹介します!

    そもそもエスプレッソとは?

    まずは軽く「エスプレッソとは何か」ということだけ触れておきます。

    エスプレッソは、「コーヒー豆(粉)を、圧力をかけたお湯(約9気圧)で短時間に抽出するコーヒー」のことです。一般的にマシンで作られますが、深煎りのコーヒー豆を高圧で抽出するため、抽出量は必然的に少なくなり、普通のホットコーヒーよりもはるかに濃縮されたコーヒーが出来上がるのです。抽出量が普通のコーヒーの5~6分の1程度になるため、マグカップではなく、容量の少ないデミタスカップで飲むのが一般的です。

    ロングブラック

    まずは、ロングブラックについて紹介しましょう!今日紹介する中で、最もアメリカーノに近い飲み物だと思います。なんせ、材料は全く一緒、エスプレッソとお湯の比率も一緒。ただ1点違うのは、「エスプレッソにお湯を加える」か「お湯にエスプレッソを加える」か、という手順だけ!

    前者がアメリカーノ、後者がロングブラックです。

    結論から言えば、この2つの間に劇的な味の違いがあるかと言われると、そういうわけではありません。しかし、エスプレッソを後から入れるロングブラックの方が、エスプレッソ特有の「クレマ」が表面に残りやすく、コクの強い、濃い味わいになります。

    オーストラリアやニュージーランドといった、オセアニア地域で好んで飲まれていたとされており、現在は世界中に広まっています。

    ルンゴ

    続いてはルンゴについて。抽出方法は国や店によって違いますが、通常のエスプレッソに比べ、約2倍程の湯量で抽出したコーヒーです。お湯を足すロングブラックとはまた違う苦味、コクが感じられます。ヨーロッパの一部地域では、コーヒーと言えばエスプレッソのことを指すほどエスプレッソが浸透してますが、もう少しマイルドに、量を飲みたい時に頼むドリンクです。

    ただし、このメニューを取り扱っているカフェは日本では少ないようで、見つけられたらとてもレアかも…?!近年ではネスプレッソのメニューオプションの一つとしてその名前は浸透してきているかもしれません。

    リストレット

    最後はリストレットです!この飲み物は、通常のエスプレッソの抽出に使う湯量の、半分のお湯で抽出するコーヒーです。この比率から「ショートショートのエスプレッソ」とも呼ばれます。先ほどのリストレットとは対極に位置するエスプレッソ飲料になります。気になる味わいはというと、通常のエスプレッソに比べて高い濃度は勿論のこと、コーヒーの成分が抽出が途中で止まることにより、コクや甘味が感じ易い分、苦味や酸味といった風味は抑えめになる傾向になります。

    カフェによってはミルクとの相性の良さから、ラテにしようするエスプレッソをリストレットにしているところもあります。

    こちらはルンゴに比べると、日本国内でも様々なスペシャルティコーヒーショップのメニューで出されている傾向にあります。

    エスプレッソの多様性

    今回は、アメリカーノのような、エスプレッソをベースとしたコーヒーたちについて特集しました!エスプレッソのコクをしっかりと生かしたコーヒーたち、試してみませんか?

    A cup of KOHII with Love

    (執筆:Takuya)

    参考文献

    同じコーヒー豆で作ったロングブラックとアメリカーノを飲み比べる(コーヒーのあれ)
    KIMBO (モンテ物産)
    エスプレッソコーヒーとは?本場イタリアの飲み方は?(コーヒーコラム〜コーヒーをフランクに!〜 )
    リストレットのエスプレッソとは何か?その作り方と味につて(TAILORED COFFEE)